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2013年5月24日 (金)

図書館員のための『ライファーズ』推薦の辞

同じ文章を、チラシ裏面に掲載しています。
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図書館員のための『ライファーズ』推薦の辞

            矯正と図書館サービス連絡会事務局長 指宿信

 今回、矯図連で『ライファーズ』を取り上げることになった時に聞かれたのが「どうして終身刑のドキュメンタリーなんか図書館員が見ないといけないんですか?」という問いでした。
 たしかに、矯正施設に対して読書支援をするためのNPOだからと言って、なにも囚人(収容されている人たち)の、しかも日本じゃないアメリカの話しで、終身刑を受けた凶悪犯たち、世の中から最も恐れられている人たちを描いたフィルムを見てどうするのという疑問も無理はないと思います。

 でも、読書を通じて、少年院や刑務所に収容されているひとびとの「立ち直り」(矯正の世界では「更生」と呼んでいます)を支援しようという会の趣旨からすれば、「立ち直り(更生)」とは何なのか、という問いを避けて通ることはできないでしょう。更生の意味を、刑を終えて社会の中で罪を犯さないで生きることと捉えれば、終身刑のひとにとっては「更生」は意味がないことになります。それでも、ひとは自身の罪に向き合わなければなりませんね。
 本ドキュメントと監督の坂上香さんが書かれた『ライファーズ』(みすず書房)は、そうした終身刑者にとっての「更生」の意味を問う、無二の作品です。治療的コミュニティと呼ばれる受刑者プログラムを通じて、アメリカの囚人のなかでもとびきりの凶悪犯であった彼ら彼女らがどのように「変わりうる」のかを知ることは、わたしたちに「更生」の意味を深く考えさせる絶好の機会となることでしょう。
 なお、日本には無期懲役はありますが、終身刑は今のところ存在しません。ところが、無期懲役囚の仮釈放が非常に認められにくくなっており、いま日本でも無期懲役の「終身刑化」が指摘されているのです。それは受刑者の死亡者が無期の仮釈放者の数を上回っていることから裏付けられます。わたしたちにとっても無縁とは言えないでしょう。

 図書館員のみなさま、忙しい週末だと思いますが成城まで足をお運びいただきドキュメンタリーを鑑賞すると共に、坂上さんとも「更生」について、対話をされてみてはいかがでしょうか?

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